各党とも必死 (10) |
しんぶん赤旗 07.7.10より |
参院選 各党の戦略
参院選(十二日公示)はすでに本番、比例代表四十八、選挙区七十三の議席をめぐって各党必死の選挙戦を展開しています。各党の目標、戦略をみました。
<自民党> 集票力アップヘ組織戦 自民、公明は「与党過半数」が目標ですが、そのためには、公明党が目標の十三議席を獲得した場合でも、自民は五十一議席が必要です。
自民のキャッチフレーズは「成長を実感に! 改革を貫き、美しい国へ。」。比例で最低十五議席とることが目標で、三十五人を公認しています。タレント・著名人を物色するなかで、教育再生会議事務局長の義家弘介氏、拉致問題担当の中山恭子・首相補佐官、丸山和也弁護士などを擁立。同時に、支持基盤の崩れが急速にすすむなか、業界しめつけの選挙戦を展開、集票力のアップを狙い、今回初めて、全国農業協同組合中央会、全国漁業協同組合連合会の組織出身者をたてました。
安倍首相は、「たいへん厳しい情勢」と認めながらも「消えた年金」問題対策をアピール、「教育改革」、改憲手続き法、天下り自由化法(改悪国家公務員法)などの「実績」を強調し、″安倍晋三と小沢一郎・民主党代表のどちらが説得力があるかを問う選挙だ″と、政権信任選挙に仕立てようとしています。
<公明党> 自民から比例票もらう
公明は、比例で過去最高の九百万票を目標にかかげ、比例八、選挙区五(埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪)の獲得へ必死です。
自民選挙区候補を応援する代わりに比例票は公明にもらう戦略を全国的に展開し、これまでに三十二人の自民候補を推薦しています。自民が大分を地盤とする郵政「造反」組の前衆院議員を比例に選出したことから、公明は比例票が目減りすると反発、九州七県で自民選挙区候補の推薦を見合わせていました。しかし、大分、熊本、鹿児島の自民党県運が公明の比例代表候補支援を決定したのをうけ、この三県の自民選挙区候補の推薦を決めました。こうした動きを自民の中川秀直幹事長は、県連レベルでは容認するとしています。
<民主党> 自民支持層とりこみへ
民主は改憲など自民と同じ流れにある問題は争点化を避け、「生活が第一。」をキャッチフレーズにかかげています。「逆転の夏」をスローガンに「与野党逆転」を最大限おしだし、比例で二十議席、全体で五十五議席を狙っています。
比例で三十四人を公認。連合系労組の七人のほかに、自民支持層切り崩しへ、日本看護協会元常任理事、日本青年会議所会頭も擁立しました。また、衆院議員経験者の「くら替え」が八人と多いのも特徴。衆院時代の選挙区を中心に票を掘り起こす作戦もとっています。
一人区重視で、自民党の農業政策を批判するビラを大量に配布するなど、保守の強い農村地帯へのきりこみをはかっています。
<社民党> 民主と選挙協力進める
社民は、七議席、五百万票以上を目標にしています。選挙戦では「護憲」「九条を守る」を前面にかかげますが、九条改憲を明確にしている民主党と選挙協力をすすめ、山形、香川で民主候補を支持・支援しています。
<国民新党>
国民新党は、「正々堂々『抵抗勢力』」がキャッチフレーズ。公約に「自主憲法の制定」「道徳教育の充実」などを柱にすえ、ペルー元大統領やチベット出身の大学教授などを比例候補に擁立。目標は選挙区含め七議席以上です。
<新党日本>
新党日本は、二人いた現職の参院議員と衆院議員が、田中康夫代表の手法に反発、マニフェストは「国民の審判を受けるに値しない」と「解党宣言」を出して、国会議員がゼロに。比例で二議席をめざしています。
各党とも必死 (9) |
しんぶん赤旗 07.5.30より |
増税火消し 公明が躍起/1面トップで企画記事載せたが…
六月からの住民税額の大幅増を前に、“増税戦犯”公明党への批判が強まっています。たまりかねたように、公明新聞は二十九日付一面トップで、「6月から住民税が増えるの?」「所得税が減額され 負担額は変わらず」という見出しの企画記事を掲載しました。
「6月から住民税が増えて給料が減ると聞きましたが、どういうことですか」との読者の疑問に答える形式の同企画。所得税から住民税への税源移譲によって、両税の合計負担額が変わらないことを説明しています。
たしかに、税源移譲だけの影響では、基本的に所得税・住民税を合わせた負担額が増えることはありません。しかし、自民・公明政権が決めた定率減税全廃による総額一・七兆円もの増税が、庶民を襲います。
さすがに、同紙も定率減税廃止による増税はごまかしきれません。
「定率減税廃止分だけ増額」という見出しをたて、増税になることを認めています。ところが、示した増税額の試算は「年収500万円(夫婦と子ども2人)で年間5700円(住民税分)」というもの。これはあくまでも住民税の増税額だけ。同じ世帯で年額一万一千九百円の増税になる所得税の定率減税全廃の影響を隠し、増税を小さくみせようとしています。
同紙は、定率減税は「景気対策」のために実施したが、最近の日本経済は「回復基調」だから廃止するとしています。
家計の「回復」をどれだけの庶民が実感しているというのでしょうか。
一方、定率減税と同時に「景気対策」として導入された大企業減税(法人税率引き下げ)や大金持ち減税(所得税の最高税率引き下げ)。大企業は史上空前の大もうけを記録しているというのに、大企業減税や大金持ち減税はそのままです。
定率減税全廃と高齢者の年金課税強化の先頭にたってきた公明党。同紙が、庶民増税の火消しに躍起になっても、国民の怒りの火を消すことはできません。(山)
各党とも必死 (8) |
しんぶん赤旗 07.5.20より |
参院選へ 各党が総力
<自 民> 憲法改悪前面、組織締め付け
自民党は七月の参院選を「天下分け目の決戦」(一月の党大会)と位置づけ、与党過半数の維持を目指し、「衆参同日選的な総動員態勢で取り組む」(自民・中川秀直幹事長)構えです。青木幹雄参院議員会長は、「参院選で与党が過半数を割れば、自民党も内閣も『死に体』」と危機感を募らせます。
「改憲を必ず政治スケジュールにのせる」。同党総裁・安倍普三首相は、憲法改悪を参院選の一大争点に掲げます。
中川幹事長は自身のホームページで「(憲法問題で)自共は信念対信念の一大論戦を展開することになる」と指摘する一方、民主党に対しては、「護憲の皮をかぶった改憲勢力」などと指摘しています。
先の道府県議選で九十七議席後退するなど、支持基盤の崩れが急速にすすみ、地方組織・業界団体の締め付けに躍起です。業界団体の選挙への貢献度(名簿提供、党員獲得など)を数値化、それに応じて団体の要望を政策に反映させる「成果主義」の導入まで検討していると報じられています。
組織の弱体化をカバーするために候補者に女性アナウンサー、サッカー選手、登山家など、外部の著名人を次々と物色。党内からは「安易にタレント候補に頼る姿勢は逆に国民の信頼を失う」(閣僚経験者)と声がでるほどです。
<民 主> 二大政党掲げ、党首地方行脚
民主党は参院選を「二大政党制の確立が問われる選挙」(鳩山由紀夫幹事長)と位置づけています。与党を過半数割れに追い込み、早期に解散・総選挙を実現して、「政権交代可能な二大政党制を確固たるものとする」(二〇〇七年度活動方針)としています。議席獲得目標は「六十に限りなく近い五十台」(小沢一郎代表)です。
小沢代表は連合の高木剛会長らと地方行脚。二十九ある定数一の選挙区は小沢氏がほぽ二巡しています。
比例候補でも、自民党の支持基盤といわれた日本青年会議所の元会頭や日本看護協会元理事を含む三十三人(十九日現在)を決めています。
「憲法改正論議よりも格差是正が争点」(鳩山幹事長)と、憲法問題の争点化を避け、政策では「年金、農業、最低賃金、子育て、三つか四つ」(テレビ朝日系番組で小沢代表)を訴えていく構えです。
<公 明> 「最高得票を」、全国にハッパ
公明党は、参院比例区の八議席獲得、選挙区の五議席死守が目標です。なかでも比例区の八人目が過去二回、滑り込み当選だったことを重視。「過去の比例票の記録を塗り替え、最高得票を」(全国県代表協議会)
と、ハッパをかけます。
参院選を前に、「政治は結果を出すことが大事」(太田昭宏代表)として、与党八年の実績≠強調。「改革断行へのアクセルと、国家主義・政治腐敗へのブレーキ」と、あたかも自民党の悪政への「歯止め」役であるかのようなポーズをとっています。社会保障の連続改悪にはほおかむりしたまま、「ドクターヘリの全国配備」などを「命のマニフェスト」として売り込んでいます。
十二日の全国県代表協議会で党執行部は、自民党の影響力が低下している企業や業界団体にも「どんどん入り込んでいけ」とげきを飛ばしています。
<社 民>
社民党は、比例区、選挙区合ねせて七議席以上が目標です。
護憲≠看板にたたかう構えですが、秋田県や富山県などでは、改憲政党・民主党との選挙協力に力を入れるという、有権者に説明のつかない矛盾を抱えています。
各党とも必死 (7) |
しんぶん赤旗 07.5.1より |
参院選目前/「過半数割れ」におびえる自民
参院福島、沖縄両補選の結果を受け安倍晋三首相は、初の本格的国政選挙となる夏の参院選を「憲法改正」など“タカ派”色を前面に出して乗り切ろうとしています。政府・自民党内では、参院「与党過半数割れ」の危機感から、勝敗ラインをめぐって早くも激しい“綱引き”が始まっています。
参院補選について首相周辺は、もともと野党の議席だった二つのうち「沖縄での勝利は大きい」としています。
しかし、こんな声もあります。「沖縄は首相が二度も入るなど総力を挙げたのにあの小差。しかも“保守王国”福島では惨敗だ。道府県議選も九十七議席減の過去最低で、このままでは参院選は危うい」(大臣経験者)
党内の“綱引き”
参院は、定数二百四十二議席のうち半数の百二十一が三年ごとに改選されます。与党の非改選議席は五十七(自民四十六、公明十一)でしたが沖縄分を足して五十八議席に。今回与党が過半数(百二十二)を維持するには、仮に公明党が現状維持(改選十三)とすると、自民党は五十一議席必要となります。
ところが、ここ四回の参院選を見ると、自民党が五十議席を超えたのは六年前の爆発的“小泉ブーム”のとき(六十四議席)だけ。しかも今回は、六年前の“小泉ブーム”で大量当選した議員が改選を迎えます。
加えて相次ぐ「政治とカネ」疑惑、郵政「造反組」復党、負担増と大増税、「貧困と格差」の拡大などに国民の批判が集中しています。「改憲、教育問題などで安倍の“地金”を出し、右寄りの支持拡大を狙うが、自民党が増える要素は少なく、守りの選挙」(政治評論家)といわれています。
「(自民党は)比例代表では最低十五議席、さらに二十九ある一人区で二十議席(補選も入れて)取らないと、与党で過半数を維持することはできない」。自民党の青木幹雄参院議員会長は三月十六日、自民党支持団体との会合で具体的数字を挙げ、「過半数割れ」への危険を力説しました。
これは、選挙の“司令塔”となるべき中川秀直幹事長が四日前、「どこが勝敗ラインで、どこが責任ラインか…そんなこといいません。(参院で)過半数が割れたって、政権選択選挙ではないかもしれない」と発言したことへの反論でもありました。
青木氏の危機感
実は中川発言の直前、小泉純一郎前首相も安倍首相、中川氏らとの懇談(三月七日)で「万が一負けても参院選は政権選択選挙じゃない」(「毎日」)と述べていました。
こうした発言は、参院自民党の“ドン”として「参院選で与党が過半数を割れば、自民党も内閣も死に体になる」と繰り返してきた青木氏にすれば、無責任な発言に聞こえたに違いありません。
青木氏は「(参院で過半数割れすれば)国民が黙っていない。衆院を解散して民意を問えということになる」(昨年十一月、徳島市)と強調しています。
青木氏と「青・森コンビ」を組んできた森喜朗元首相も、「(自民が)十議席以上失うとかなり厳しくなる」(昨年四月、都内)と、自公連立の危機を唱えていました。ところが、年が明けると「衆院は圧倒的に(議席が)ある。首相がどうこうなることはない」(一月十六日、都内で。「共同」)と、安倍首相の責任を問わない姿勢に。
中川氏が責任逃れとも取れる発言をしだしたのは、その直後からです。
「政権選択選挙ではない」と首相の責任に“煙幕”を張る中川氏。他方“死に体”論を唱え「参院で過半数を持っていて初めて生きる(衆院の)三分の二」と危機感をあおる青木氏。
これらの確執はいずれも、自公連立による国民不在の悪政の結果、与党が「参院過半数割れ」の重大危機に直面し、それを何とか回避しようと、必死にもがいていることの表れといえます。
国民が審判を下す参院選本番は目前です。(梁取洋夫)
2007年参院・比例代表選挙 各党の対応と予想される顔ぶれ
【共産党】 01年、04年ともに430万票余りの得票でいずれも4議席。今回は自民党政治の平和と暮らしを破壊する暴走に正面から立ち向かう力を伸ばし、「二大政党づくり」の動きを本格的に押し返す選挙と位置づけ、650万票以上の得票と比例代表5人の絶対確保をめざす。
【自民党】 01年は「小泉ブーム」で、2100万票余りを獲得した。しかし、04年は民主に比例第一党の座を奪われ、今回はさらに悪政推進による支持基盤の崩れもあり、危機感をつのらせている。それだけに有力な支持団体が推す組織型候補がずらりと並ぶ。中央省庁の元官僚を支援する形のほか、全漁連やJA全中など支持団体の組織内からも新人を立てている。さらに、知名度を生かして大量得票のできる新たな「目玉」候補を模索中。
【民主党】 01年参院選では振るわず、900万票足らずで8議席にとどまった。しかし、04年は2100万票を超えて自民を上回り、19議席に躍進。今回は、04年の再現をめざす。そのため、最大の支持団体である連合から現職4人、新顔4人の労組支援候補を擁立。また、宗教団体のほか、これまで自民党を支持してきた日本看護協会や日本青年会議所(JC)などの関係者も新人で公認した。また、元衆院議員や地方議員を立てて地域票の掘り起こしを図る。
【公明党】 現有の8議席維持が目標。06年末までに7人の公認を決め、それぞれ地域割りをして浸透を図っている。05年総選挙で得た過去最高比例票の898万票が目標。
【社民党】 06年末までに現職の党幹事長を含む4人の公認を決定。「平和と募らし」を前面に掲げて、500万票以上の得票と5議席確保をめざす。
【国民新党】 現職を含む5人の候補を決め、2議席以上をめざす。
【維新政党・新風】は1人を決定。【新党日本】、【新党大地】は対応を検討中。
候補者一覧はこちら (PDF 16KB)
各党とも必死(5-下)公明党、社民党、新党大地 |
2006.10.11 |
公明党
9月30日の全国大会で新旧交代を終えた公明党。代表に就任した太田昭宏氏は、来賓として参加した安倍新総裁の見守るなか、来年の統一地方選と参院選で自らの党の完全勝利と、「与党として参院選で何が何でも過半数獲得を成し遂げたい」と改めて力を込めました。
公明党は「公明新聞の大拡大で、統一地方選・参院選の大勝利を!」のスローガンをかかげ、2007年度下半期の「公明新聞購読推進強化月間」(9、10、11月)に力を入れています。こうした「強化月間」のとりくみを土台にたたかわれた9月の地方選挙の結果について、10月2日付の「公明新聞」は、21市町村で27人が完勝、前回と比較可能な市町村の7割で過去最高票という「堂々たる完勝」、「07年統一地方選と参院選の必勝へ、確かな上げ潮の流れを築いた」と分析しています。
しかし一方、創価学会との第15回連絡協議会(10月10日)では、学会側から、格差社会の是正問題、健康保険や介護、定率減税廃止などの負担増問題、主婦を中心としたパート労働者の劣悪な労働条件問題、障害者自立支援法に関連して施設利用料の方が賃金より高い問題など、改善要望が次々と出され、そのなかで「現場と遊離した意識が公明議員の中にあるのではないか」「今こそ全議員が…国民のために命懸けで働いてほしい」との厳しい意見も出された、と報じられています。与党・公明党はいま、最大の支持母体との間に大きな矛盾を抱えていると言えそうです。
社民党
社民党は、札幌市議を3期務めた山口たか氏(56)を、来年の参院選の比例代表候補として正式に発表しました。同党は、全国で「7議席確保を目標」に、道内では山口氏の個人名で10万票、党名で10票をめざすとしています。
動向が注目される民主党との選挙協力については、福島党首が「政策協定をしなければ有権者に社民党が見えない」(9月13日、日本記者クラブ)とあくまで慎重な姿勢ですが、その可能性を否定していません。また小沢代表の続投を正式決定した民主党臨時大会(9月25日)には、福島党首が社民党党首としては3年ぶりに出席しています。
新党大地
鈴木宗男代表は9月24日、後援会の会合(根室市内)で参院選道選挙区候補にアイヌ民族出身の多原香里氏(33)を擁立する考えを明らかにしました。多原氏が出馬した場合、民主党との相乗り候補になる公算が強いと報じられています。
また月一回の勉強会「大地塾」の9月例会(9月30日、苫小牧市、党員ら200人)の席上、鈴木氏は「地方を大事にする小沢さんと弱者切り捨ての新自由主義を標榜する自民党のどちらを選ぶか」と問いかけ、道内に限らず「民主党さんとも、現実的対応をしていきたい」と表明。今年に入ってもう北海道を一巡半から二回りぐらいしていると述べ、「どこへ行っても、とにかく(大変だといって)泣いていますよ。私はこの泣いている声を大事にしたい」と力説しました。近隣市町村選出の自民党道議2人も応援に駆けつけ、ある道議は「今の立場は自民党だが、北海道のために尽してくれる人を応援したい」と“応援宣言”も飛び出したという(10月1日、BNN)。
こうした動きに神経をとがらせているのが自民党です。武部前幹事長は、来春の道議選に同党の公認または推薦を受けて出馬する道議にたいて、高橋はるみ知事を応援する誓約書を提出させるという異例の考えを示しました(10月4日、党本部、北海道代議士会)。
各党とも必死(5)〜[上]自民党、民主党 |
2006.10.3 |
自民党
“盛り上がりに欠けた”といわれた総裁選をへて、9月26日安倍新政権が発足しました。直後の新聞各紙の世論調査は、それぞれ60%〜70%の内閣支持率をはじき出しました。毎日新聞は、自民党の支持率が14年ぶりに4割(42%)を回復したことにふれ、前回調査(8月)以降自民党以外の各党の支持率がほとんど変らないことから、「無党派層の1/4が 自民へ」流れたと分析しています。
ところが調査の中身をみると、国民が安倍内閣に最も期待しているのは「社会保障制度改革」が27%で断然トップ、安倍新政権がめざす「憲法改正」(5%)、「教育改革」(15%)を大きくひき離しています。
NHK日曜討論(10月1日)に出席した日本共産党の志位委員長は、世論調査の結果は「内容の面への期待というよりも、新しい内閣への期待でしょう。内容自体が国会論戦で明らかになってくれば、大きく変ってくる」と述べ、安倍首相の所信表明演説などにもふれながら、安倍新内閣が「非常に危険だが、基盤のもろい脆弱な内閣だ」との判断を示しました。
一方、来年の参院選を“政権選択を民意に問う”政治決戦と位置づける自民党は、@中川秀直幹事長が党首対決に備え「民主党政策検討チーム」をすでに立ち上げ、A選挙全般の実務責任者である総務局長を選挙対策総局長に格上げするとともに役員会のメンバーとし、B29日には安倍首相の顔が大きく写っているデザインの新ポスター「創りあげたい日本がある」を発表、C低価格競争にあえぐ建設業界を救済し来年夏の参院選での支援を引き出す狙いもあって、2日党内に「公共工事低価格落札緊急対策委員会」(仮称)を設置する方針を固め、D総裁選のため出遅れがいわれる衆院補選(22日)に応援弁士として小泉前首相の投入を急きょ決めるなど、必勝の態勢づくりに必死です。
民主党
総裁選で大わらわの自民党を横目に民主党は、参院選の前哨戦と位置づける衆院補選に向けた運動を党挙げて展開。所属全国会議員を大阪と神奈川に振り分け、議員自らもポスター張りに歩かせるなど激しい「ドブ板選挙」を徹底してきました。
小沢代表自らの発案でスポーツ紙各紙を自宅に呼んでインタビューに気さくに応じる(9月14日)とか、安倍氏との違いを浮き彫りにしようと菅代表代行の提案で太平洋戦争の激戦地・硫黄島の戦没者慰霊碑に赴く(9月20〜21日)など、メディアをにらんだ行動も盛んです。
また代表選挙終えて新体制に移行した翌25日には、「政治とは生活である」というキャッチコピーと小沢代表の全身が大きく写っているデザインの全面広告を、さっそく全国紙(朝日新聞と読売新聞)に掲載するなど、国民に直接アッピールするパフォーマンスも欠かしません。
入院中の小沢代表が鳩山幹事長に電話で、衆院の代表質問で党首討論の毎週実施を迫るよう指示した(9月30日)と各紙で報じられています。これは、小沢代表がすでに8月末、菅、鳩山両氏に対し、安倍政権誕生を前提に「党首討論を毎週やることで、安倍氏にどれだけの深さがあるか見えてくる」と述べ、毎週実施を目指すよう指示していたものですが、先行きの健康不安が取り沙汰されていたなかでの入院先からの念押しだけに、党首対決に賭ける民主党小沢代表の必死さがうかがえます。
*[下]は次回に掲載。公明党、社民党、新党大地の各党を紹介します。
自民党
総裁選の“盛り上がり”をテコに、党員拡大と来年の二大選挙の勝利へつなげていくというのが自民党の大方針。ところが、福田元官房長官の不出馬で「消化試合」の懸念が出てきた総裁選。まさに“弾み”を失いかねない事態になっています。
それだけに、武部幹事長は自民党の総裁選を盛り上げようと、ネットによる国民参加型のアンケート(「私が総理大臣になたら」)を8月から実施する一方、全国10カ所で開催のブロック大会に地元色を出した演出など盛り上げ策をとるよう各ブロックに要請。総裁選挙管理委員会も告示日以降、総裁候補が中小企業や保育所など格差や少子化などの問題をかかえる現場を視察する方向を検討など、総裁選の演出に躍起です。
また青木参院議員会長は、8・1全国幹事長研修会の講演で「民主党は二大政党、政権交代という国民にわかりやすいキャッチフレーズがある。これに勝てるキャッチフレーズがあればノーベル賞ものだ」と語り、参院選は政権交代を賭けた戦いになるとの見通しを示し、「与党が敗北すれば、新首相の退陣は避けられない」と危機感を強調しています。
公明党
来年の参院選で13議席を目標に、自公での過半数確保を最大の焦点にしている公明党の神埼代表は、福岡・夏季議員研修会(8月6日)に出席し、「仮に自公で過半数に数議席、届かなかった場合、これまで公明党が持っていたキャスチングボードを国民新党や無所属の数人が持つことになり、公明党の存在感が薄くなる。参院選後の国会で、民主党など野党が…政府を立ち往生させ、衆院の解散・総選挙に持ちこむ」との見方を示しました。その上で「公明党の議席を死守するだけでなくて、与党も勝たせながら、政権を引き続き維持できるようにしたい」と訴えました。
民主党
8月4日、新しい党イメージポスターを発表。党幹部3人の顔写真入り、「日本を変える。」というキャチコピーで政権交代を強く押し出しています。
参院選の「一人区」を行脚する民主党の小沢代表の主眼は、あくまで地道な地方組織の強化〜とりわけ地方議員の拡大と自民党支持基盤への食い込みです。そのため、農協や漁協、商工会議所などを訪れ、小泉改革によって関係が微妙になった各種団体への浸透を精力的に図っています。
さらに各都道府県連にたいしても“自民の基盤に切り込め”と7日付で通達を発行。10月の衆院補欠選挙や来年の参院選に向け、自民党の支持母体からも党員・サポーターを獲得し、地方組織を強化するよう求めています(通達には職域支部の設置方法も明記)。
また、参院選向けに「非自公」勢力との野党共闘をいち早く呼びかける一方で、郵政民営化法案に反対し、自民党を離党した「造反組」にも触手を伸ばしています。
8月7日には、党本部で次期衆院選の公認内定者研修会を開催。小沢代表はあいさつで、「常在戦場」を強調し、衆参ダブル選挙の事態にもふれ、来年の参院選に向けて「他人の選挙を一生懸命やることで、自分の足腰を一層、鍛えることができる」と叱咤激励しました。
社民党
参院選で比例500万票をめざしている社民党の福島党首は、7月に札幌市内で記者会見し、来年の参院選について「全国でなんとしても7議席を確保する。道内からも必ず候補者を出す」と力を込めました。
新党大地
7月の例会で鈴木宗男代表は、民主党との連携について「小沢さんは小沢さんで、そういう発言(新党大地との連携)がたびたびあります。…今の政権に対して、このままで日本はいいのかを考えた時、やはり政策合意して、お互い価値観を共有して、統一選挙を組んでいこうじゃないかという考え方がありますから、私も積極的に乗っていこうと思っています」と述べ、また「実際に民主党へ選挙戦に向けたアドバイスも行っている」(北海道のニュースサイト BNN 2006/7/15)とも語りました。
各党とも必死(3) |
しんぶん赤旗 6/26〜27より |
自民党―総裁選をテコに
自民党は、選挙区三十五人、比例代表二十人の計五十五人の候補者をすでに決定し、擁立作業を進めています。「小泉旋風」で選挙区四十六、比例区二十の計六十六議席を得た二〇〇一年参院選の改選となり、議席維持に向け、必死の取り組みです。
九月の党総裁選を「党勢の拡大と来年の統一地方選、参院選の勝利へとつなげていく」(〇六年運動方針)と位置づけ、総裁選の“盛り上がり”をテコに党員拡大、無党派層へのアピールをはかる方針です。七月下旬から総裁選をアピールする「ブロック大会」を全国十カ所で行うことをすでに決定。十四日の全国幹事長会議では、小泉純一郎首相が、無党派層対策に努めるよう指示しています。
しかし、「小泉改革」による支持基盤の崩れは深刻です。党員数は、小泉首相の五年間で約百十五万人減少し、約百二十二万人(〇五年末)に落ち込みました。郵政民営化のあおりで、特定郵便局長OBや家族でつくる「大樹」の党員は激減しています。自民党の支持基盤・全国農政連は、組織内候補に現職の福島啓史郎氏でなく、山田俊男氏を異例の予備選で選び、波紋を呼びました。自民党は二次公認で、福島氏も公認しました。
大分県では、同党県連が候補者公募を実施したところ現職の後藤博子氏が反発、離党する事態となりました。郵政民営化法案に反対した議員の公認問題も候補者擁立作業を難しくしています。
小泉首相は「候補者がまとまらないところは慌てる必要はない。新総裁が決まってからでも遅くない」と発言。支持団体との関係修復は次期総裁の課題となっています。
憲法改悪、消費税増税など、小泉首相が次期総裁に引き継ぐ課題も影を落としています。十七兆円の歳出入のギャップを、社会保障の切り捨て、消費税増税で埋めようという「歳出歳入一体改革」は、早くも参院選をにらんで、自民党内から“異論”の声が出始めています。
公明党―「存在感」で躍起
公明党は「来年は十二年に一度、統一地方選と参院選が行われる年。大変厳しい選挙戦だ」(神崎武法代表)と構え、通常より三カ月早く参院選の第一次公認候補十一人(選挙区五人、比例区六人)を決定。〇一年参院選で獲得した十三議席を目標に、自公での過半数確保を最大の焦点にしています。
同党は小泉後の政権との関係を重視、十月の党大会を九月に前倒しします。神崎氏は「(参院選では)小泉首相の後継首相と民主党とが激突する中、公明党がどう存在感を発揮するか、渾身(こんしん)の戦いが必要だ」(五月二十日の全国県代表者会議)と檄(げき)を飛ばしています。
公明党と一体の創価学会も十五日に全国の方面長を集めた幹部会合で参院選への結束を確認、組織戦を展開しています。
民主― 1人区に力点
民主党は七月十四日に全国幹事長会議を沖縄で開き、十月の国政補選、来春のいっせい地方選、来夏の参院選の三つで勝利し、政権交代への意思統一を図る方向です。
小沢一郎代表は「自公を過半数割れに追い込む」と宣言して参院選での与野党逆転を狙い、二十九(来夏から栃木、群馬で新たに適用)の一人区を重視。五月から東北や四国、九州の選挙区回りを行ってきました。地方組織へのテコ入れとともに、自民党の支持基盤だった農漁業・商工関係団体や医師会なども精力的に訪問しています。
五月から「人財募集」と銘打った候補者の公募を開始しました。九月の代表選前までには参院選の第一次公認候補を発表したいとしています。
一方で「非自民」の社民党、国民新党、郵政民営化反対の元自民党無所属などに統一候補を呼びかけることも検討しています。
十月に行われる衆院神奈川16区、大阪9区補選の候補者も決定しました。四月の衆院千葉7区補選の経験を生かし国会議員を動員してとりくみ、いっせい地方選、参院選と連動して党支持を拡大したいとしています。
五月には地方自治体議員フォーラム研修会や女性議員ネットワーク会議を開きました。同月、小沢代表は連合を訪れ「選挙ではせめて組合員と同数の票を獲得してほしい」と要請しました。
社民― 候補者擁立急ぐ
社民党の福島瑞穂党首は六月から一人区を中心に全国を回る「社民党大逆襲キャラバン」を開始しました。参院選で比例五百万票をめざし、一人でも多くの候補者を擁立したいとしています。
十六日には党本部で全国幹事長会議を開き、四十歳未満の新人地方議員を各都道府県に一人以上誕生させることをめざす方針を確認しました。
自民党
自民党・青木参院議員会長は、「過半数割れなら内閣も与党も死に体になる」(5/20同党参院議員の会合)と危機感をあらわにし、公明党と合わせた過半数維持に総力を挙げる考えをあらためて示しました。
公明党・神崎代表は、来年の2大選挙を「今後の党基盤を確立出きるか否かの剣が峰の戦いだ」(5/20党全国県代表協議会)と強調、会議は「徹底した地域回りで拡大を」ただちにすすめようと確認、早くも必勝の構えでのぞんできています。
また自民・公明の両党は、従来一年前に発表してきた参院選公認候補の第一次発表を、それぞれ二カ月前倒しをして発表する(5/17自民 45人、5/21公明11人)など、“2大選挙を一体のも”として、選挙準備をすすめているのが特徴です。
これに呼応するように、公明党道本は5/18道議選第一次公認候補6人(札幌東区6月にも)を発表。自民党札連も5/19札幌市議選第一次公認候補26人を発表しました。
民主党
「参議院における与野党逆転をめざす」(活動方針)とし、獲得議席目標を50〜60に設定している民主党は、小沢代表が、参院選で勝敗のカギを握るといわれる「一人区詣で」を15日山形からスタートし、行く先々で「参院選で異例」(朝日)と報じられるように“小沢流の地方強化策”を徹底展開。22日には小沢・菅・鳩山会談で「都道府県や政令市の首長選では、自民党との相乗りを避け、独自候補の擁立を目指す」(読売)と確認するなど、次々と具体的に手を打ってきています。
新党大地
昨年の衆院選で40万を越える得票をした新党大地の鈴木宗男代表は、連日のようにテレビなどに登場し、道民の抱いている閉塞感を意識して小泉・自民党批判をおおいに展開しています。
また2007年の2大選挙に向けて、「道議選や市町村長など各種選挙に有望な人材を出したい」、道知事選にたいしても「北海道のためにベストの選択をする」とし積極的に関与していく姿勢を示しています。*
来年夏の参院選については、昨年9月の衆院選に立候補した秋元正博、多原香里、田中いづみの3氏を軸に調整をはかっています。
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民主党・小沢代表は5/29釧路市内で記者会見し、道知事選について「新党大地拒む理由ない」(道新)と連携を模索する考えをあらためて表明しました。民主党と新党大地との連携については、水面下の調整もとり沙汰されています。 |
自民党
現在113議席(扇千景議長を含む)のうち改選は67(同)。「総裁選を成功させ…党勢の拡大と来年の統一地方選挙と参議院選挙の勝利へとつなげていく」(運動方針)としています。衆院千葉7区補選などでの敗北に「今回の選挙をばねにして戦略を練り上げる」(武部勤幹事長)とまき返しに出ています。
民主党
83議席(角田義一副議長を含む)中32(同)が改選。「再出発した民主党の真価が問われる最大の政治戦」「参議院における与野党逆転をめざす」(活動方針}と位置付け、小沢一郎代表は、4月25日の役員会で選挙準備に全力を挙げるよう指示しました。
公明党
24議席中、改選は13。公明政治連盟として国政進出してから今年が50年で、来年の参院選を次の50年の「緒戦の戦い。断じて負けられない」と意義付けています。
社民党
6議席のうち3議席が改選。比例・選挙区合わせて7議席獲得が目標。又市征治幹事長は「選挙区で最低15人は立てる」としています。
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